小さな円で大きく

最近の福田先生はほとんど動きません。

表技か、裏技か、基本か、気の流れか、わからないくらいハイブリッドです。

参段の私には違いのポイントが分かるので見極められますが、初心者には判別は無理だろうなぁと思うことがあります。

自然な動作です。

先生はその瞬間、相手に対し、ベストの動きをしてるだけなんですな。

ですから福田先生にはキチンした型がないように見えてしまいます。

武道的見方をよく知らない人が見たら

「(福田先生は)足さばきはないしね」

「本当に効いてるの?」

と思うでしょうね。

弟子さん達はすごいすごいって言うけど本当なの?って。

それに他道場で稽古している合気道家が見れば、合気道とはもっと大きく円を描いて動くものじゃないのかね?って思うことでしょうね。

私が入門した10年前は、今より福田先生の動きはありました。

入門時の私は、他所から移籍したばかりで、間違ったクセもあったので、福田先生から足さばきなど細かく丁寧に修正指導していただきました。

先生は私の足先の3センチのズレを修正してくれながら

『(足の指の向きを)こう置けばもっといい。効くようになりますよ。わずが3センチでも、違いますよ」

と直してくれました。

私の今の体はそうやって作られました。

そのころの私はまだまだ“本質を見極める能力”が低かったので、今の初心者さん同様に、先生が何をどうしてるのかわからなかったです。

ただ、そう言った経験や先生の言葉は鮮明に記憶しているので、ごく最近でも

「ああ!先生があのとき言ってたことってこのことか!」

と思い出して、感謝するのです。

先輩たちは10年前からすでに

「福田先生の動きが以前よりどんどん小さくなってしまって、よくわからなくなってしまった」

と言ってました。

今はそれに輪をかけて小さく見えなくなりましたから、白帯さん達は苦労することでしょう。

私は多くの先輩達に

「50代の頃の福田先生の技はどんなでした?」

「60代の頃の先生はどういうふうに動きました?」

と教えてもらいながら、私が知り合えなかった若き頃の福田師範の合気道を勉強しました。

先輩達が先生と初心者の間をつなぐ橋になってくれました。

今度は私がそうしてもらったように後輩に伝えることで福田先生の教えが繋がっていけばいいなと願います。

福田先生の動きがどんどん小さくなるのは当然のことで、先生は以前から

「小さな円で大きく崩すんです。(相手に)何をしてるかわからないのがいい技ですよ」

と言ってます。

「こっちが大げさに動いてたら格好はいいかもしれないけど、スキをつかれちゃうだろ。なるべく相手にわかんないように効かせなくちゃね。」

武産浦帆道場 茨城県 合気道

武産浦帆道場は2018年4月に発足しました。指導者は福田保 合気会八段位(1931生87歳)合気道開祖植芝盛平翁の直弟子で、合気修練道場(現.茨城支部道場)で20年間、開祖から直接合氣を学んだ現在では数少ない指導者の一人です。 開祖直伝の精神と技術を磨き続け、2018年で合気道人生70年、武産浦帆道場、かすみがうら合気会、コミュニティカレッジ、にて今も週に五日稽古し、後進の指導に力を入れています。

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