皆の剣の稽古を見つめながら福田先生は言います。
「剣も杖も腰で振るんですよ。小手先はダメです。
武器も体術も同じ、合気道の技は全部腰でやるんです。
いかにも強そうなふうに見えても、腕だけでブンブン振ってる人は弱い。
腰でやる人は強いし、腰からくる動きはかわせない。
止められないんです。」
以下:古武道の本(学研)より
大東流合気武術の佐川幸義師範は、こう言ったそうです。
「力というのも本質的に"腰からの力"でなければならない。
上半身の力はすぐにかわせるが腰からくるものはかわしにくい」
「足腰のできていない人は肩の力に頼るようになってしまう。
柔らかい動きをする人はうまくなる可能性があるのだが、りき
んでかたい人はもうそこでダメになってしまう」
剣道の元警察学校教授の田原博徳 範士八段
「剣道は足と腰で打つもの」だという。
「背骨を真っ直ぐ押し立てるように、グッと腰を入れる」
「自然と肚に力が入り、顎が引かれ、肩の力は抜けていく」
「腰を中心として間合いが詰まってきたら、足でなく、腰を前方へ移動させて乗るよう
に」
脚運びではなく、腰に乗って攻めて出るというのである。
われわれは脚で身体を運ぶように思っているが、
「脚というのは腰骨の上部から下のことだ。股下の脚で剣道をやっても、とうてい届くものではない」(松本敏夫範士)
という指摘もある。
腰がともなわず、バタバタと脚だけ使って打ち込んでも、そんな打ち込みでは相手に届かないというのである。
腰が人体のかなめだということは、人格が安定して肚の座った人をさして「腰が座っている」といい、意気地のない人を「腰抜け」 中途で挫折することを「腰砕け」などということからもわかる。
腰が抜ければ歩けないし、風邪などの病気で体がふらつくと、下半身から軸が抜けたようになり、腰がふらつく。
いかに腰を使うか---ここに古武道の鍛練の眼目のひとつがある。
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